日本列島形成時代

日本列島形成時代とは

 日本列島が形作られていく時代。まだ人類は住んでいない。

 本サイトの日本史の区分では開始年代を「500万年前」としたが、日本列島が出現した年代を「ここ」と断言するのは難しく、500万年前に決定的な事件が起きたわけではない。

 本ページでは500万年より前の、日本列島が形成されていく過程の時代も扱う。

日本列島形成時代の重大ニュース

↓数値は年代(万年前)
3000日本列島が大陸から分離開始
1400カルデラ噴火祭り
500弧状列島の形成
300フィリピン海プレートの方向転換

日本列島形成時代のできごと

数億年前

↓数値は年代(億年前)
5大陸の東端に堆積物が溜まり始める
  • 海からプレートが運んできたこの堆積物(海底プレートについていた残りカス=付加体)こそが日本列島の元。堆積物は岩盤に。
  • 現在の日本列島の9割はこの付加体。
  • 大陸に近い地域ほど歴史が古く(5億年前)、遠い地域ほど歴史が浅い付加体。
3付加体はまだ海中
1 中央構造線の元ができる
  • 中央構造線の南は海のもの、北は陸のものでできている。
巨大噴火
  • 地下の花崗岩の浮上により山脈ができる。表面にあった付加体は風雨で侵食され姿を消す。花崗岩があらわに。

数万年前

↓数値は年代(万年前)
3000日本列島が大陸から分離開始
  • 大陸から分離していく当初は、九州と沖縄陸続きの大地。だが、現在は「九州は火山大国」「沖縄は火山が1つだけのサンゴ礁大国」と別の道を歩むことに。
2500フィリピン海プレートの真中が割れ、高温のプレートが出現
  • 太平洋プレートの後退により、フィリピン海プレート(若く熱い)が北東に引っ張られ、真中に割れ目が。そこに高温のプレートができる。
2000火山活動開始(火山灰が降り積もることで陸地も拡大)
14002500万年前にフィリピン海プレートの真中にできた高温のプレートに、西日本が乗り上げる
  • マグマの大量生産。
  • 東海から九州で複数のカルデラ噴火(熊野カルデラも)。
  • 地下にできた巨大な花崗岩が浮き、山々を形成。
  • 沖縄諸島にあたる大地はフィリピン海プレートの冷たい部分に乗り上げたのでカルデラ噴火が起きず。
  • 沖縄諸島にあたる大地は伸長する力が強すぎて地盤が崩れてマグマの通り道がふさがり火山が発達しなかった。
  • 九州はその後、カルデラ噴火のない静かな状態に。
1000沖縄トラフの形成開始
  • 今も裂け続けている。
  • 日本列島が大陸から分離したときと同じことが沖縄で起きている。
500弧状列島の形成
  • 一部は大陸と地続きの状態。
  • 日本海の拡大。
300フィリピン海プレートの方向転換(北向から北西向へ)
  • 日本海溝が西向きに移動。
  • 中央構造線の発現。
  • 関東平野にあたる海がお椀状の形に。そこに土砂が流入してたまる。
200「沖縄トラフ」「別府-島原地溝帯」の拡大開始
  • 「沖縄トラフ」と「別府-島原地溝帯」は連続している。

引延、均衡、圧縮の3つの時代

2500

1500
引延時代
  • 岩盤がが左右に引かれるようにプレートが動く。その結果、堆積物には亀裂が入り、大部分は海の中へ。
  • この亀裂が、現在も各所で確認される断層。引っ張られる力でできたのが正断層。
1500

300
均衡時代
300
圧縮時代
  • 岩盤が左右から押されるようにプレートが動く。岩盤は隆起し、海上へ。圧縮によってできた断層が逆断層。
  • 圧縮は現在も続いているので、逆断層でしか地震は起きないと考えられてきたが、東日本大震災以後、正断層でも地震が起きるように(東日本大震災でプレートがずれたことで、逆に引っ張る力が働くように)。

メモ

分裂していたかもしれない九州

「別府-島原地溝帯」は東西を貫き、九州を2分している。
地下で、マントルがフィリピン海プレートを押し曲げたため、地表が引っ張られて引き裂かれ落ち込んで地溝帯ができた。
度重なるカルデラ噴火の火山灰が降り積もることで、九州は分裂を免れている。
カルデラ噴火がなぜ起こるかといえば、フィリピン海プレートが沈み込んでいるため。プレートが海水を地中に引き込み、マントルがあたためマグマに。

中部、四国、近畿

  • 秋吉台。日本一広大な石灰岩地帯。カルスト。円形状の窪地。雨水が地下へと染み込み秋芳洞を形成。百枚皿。3億年前には海の底のサンゴ礁だった。付加体。
  • 高知・室戸岬。斜めや縦になった地層。大陸プレートの下に海洋プレートが潜り込む際に折れ曲がった。大陸に押し付けられたこれらが付加体。
  • 船通山のたたら製鉄。花崗岩に砂鉄が含まれている。日本刀。
  • 岡山・北木島。花崗岩の名産地。大阪城の正面にある桜門、神宮橋、日本橋、日本銀行に使われている。
  • 和歌山・橋杭岩(本州最南端)。三重・楯ヶ崎。古座川の一枚岩(地上にある一枚岩では日本最大)。那智の滝も一塊の岩。神倉山のゴトビキ岩。

参考

  • ジオ・ジャパン シリーズ(NHK)◎
  • サイエンスZERO「原発直下に活断層?“断層列島”とどう向きあうか」(2012.10.21/NHK教育)◎

更新履歴

  • 2020.7.8:旧サイトの内容を再構成、大幅に加筆修正して新規公開

NAVI

Copyright © 1997-2024 Yoichi Tamao / EGG STUDIO All rights reserved.