20080806/広島は軍都だったから原爆を落とされてもしょうがない?
広島は軍都だったから原爆を落とされてもしょうがない?†
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今日は63回目の原爆忌。
私が子供の頃には 「罪のない数十万人の命を奪った原爆」 という印象が強かったものですが、 最近の教科書の中には
「広島は軍都だったから原爆を落とされても仕方がなかった」
などと「そもそも日本が軍備を持っていたのが悪い」かのような 論調のものが登場しているそうです。
ええ〜〜〜? ちょっと待ってください。 そもそも、アメリカが原爆投下の候補地として当初あげていたのは全国17都市。 選考基準の1番目にあげられていた条件には 「市街地が約4.8キロメートル以上の直径を持つこと、 また市街地周辺にも居住地が広がっていること」 とあり、最初から市街地を標的としていたことがわかります。
そのほかには
- 原子爆弾の「爆風の効果」が分かるような地勢であること
- 空爆によって破壊されていないこと(東京は空襲で破壊されていたので除外)
といった条件があり、いずれも原爆が詳細なデータを得るための 人体実験であったことを伺わせます。 最終的には「京都、広島、小倉、新潟」の4都市に絞られ、 「京都は盆地だからデータを取るのには最適」 という意見も多数あったが、終戦後の日本人の反発を恐れて 広島になったとのこと。
「軍都だった広島を正義のアメリカが新型爆弾でやっつけた」なんて わけでは全然ないのです。
こうして公式文書から原爆投下の経緯をたどれば分かるように、 原爆投下は民間人を標的とした戦争犯罪であり、非人道的な人体実験です。 イラク戦争では米軍による「民間人の誤爆」を咎めるニュースが話題になりましたが、 広島では計画的に民間人を十数万人も殺戮しているのだから 比較にならないくらいの大罪のはず。
アメリカ人の認識でも「戦争を終わらせるためには仕方なかった」などと いうものが大半で、原爆投下不要を唱えたアイゼンハワー将軍(後の大統領)ら の発言が顧みられることはなく、もちろん謝罪などありません。
アメリカを無意味に糾弾しろとは言いませんが、 非道な出来事は語り継ぐべきだし、歴史をねじ曲げて 「日本が悪かったんだから仕方ない」で済ませていたら 真の国際平和の実現からはどんどん遠のいていくだけでしょう。
歴史事実の正しい認識こそが平和への第一歩。 歴史教科書は複数冊の使用を義務付けて、記述の違いを考察させないと いけない時代になったんじゃないでしょうか。
日本国内でさえも「広島・長崎」への注目度がどんどん薄れてきている昨今。 世界中の人々が「広島・長崎」で起こったことを正しく認識できれば、 核根絶に一歩近づくんじゃないかと思います。
広島に原爆が落ちたのは | &vote2(軍都だったからだ[284]); | &vote2(実験場所に適していたからだ[69]); |
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原爆投下の理由は | &vote2(実験のためだ[62]); | &vote2(ソ連を牽制するためだ[63]); | &vote2(日本が白人の国じゃないからだ[73]); |
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(2008/8/6)