気まぐれな狂気

映画

気まぐれな狂気(3.5点)

雑感(ネタバレ注意!)

『24』のバウアー役、キーファー・サザーランド出演、初監督の映画。 主演ではないものの、一番狂った男カーチスというおいしい役所。タイトルからしても完全に主役はキーファーだ。 キーファーはやはり才能があるんだと感じさせる、面白い1作。

仲間の黒人マーカスが実は潜入捜査官というのがミソだが、このマーカスの無能っぷりがすごい。最初の銃撃戦では殺人を止めるでもなくカーチスの陰に隠れるだけだし、ゴードンが人を殺す際(実際にとどめをさしたのはカーチスだが)にも見ているだけだし……。ラストではやっと役目を全うしたかと思いきや、自分を助けてくれようとした主人公レイモンドを誤って撃ち殺してしまう。脚本上の都合と言えばそれまでだがいやはやなんとも。殺人をあれだけ咎めたマーカス自身が、ラストではバンバン人を殺しまくっているし。

見所は善良な市民だったゴードンの変貌ぶり。もともと犯人グループだったレイモンドや潜マーカスが殺人を咎めるシーンが面白い。マフィアの殺し屋を殺すのがゴードンというのも予想できるが面白い。

キーファー扮するカーチスは「コインが立つと人の心が読める」というギミックが面白い。トワイライトゾーンの名前も出てくるし。ラストで本当にコインが立ち、人の心を読んだ瞬間吹っ飛んで死ぬ……。とことんおいしいところ取りだ。 2丁拳銃で人を撃つシーンは『24』でもよく出てくるが、本当に好きなんだなぁ。 こういった銃撃シーンに快感を覚えることにはあまり賛同できない。

それらと比べて、主人公のレイモンドはあまり目立たない。 テレビのクイズ番組にスラスラと解答する博学ぶり等をもっと生かしてほしかった。

(2006.4)

関連サイトへのリンク

このページをシェアする
Share on Tumblr